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2013.03.21

Primavera 春

まるで5月のように暖かくなった今週、ありとあらゆる春の花が一斉に咲き出しました。

陽光を受けてたわわに広がる葉っぱや花びらを見てると、まるで自分の中にある何かが溶けて流れ出して、自分の形がなくなっていくよう。もぞもぞするような、声を上げて走り出したいような気分になりませんか?

ホーザ・パッソスの曲「Primavera」。歌詞が今の気持ちにぴったりなので、訳してみました。(難しかったので自信ないところもありますが・・)

Primavera


Primavera

(Rosa Passos/Walmir Palma)

一羽のナイチンゲールが 他の鳥たちを起こして
マエストロのように コーラスを指揮する
毎朝を描く絵師は あたたかい太陽
目覚めのくちづけで花々を誘い出す

途方もない魅惑の景色を窓から見やると わからなくなる
私の中にあるのは私のものか
それとも神の手によるものか 
私は今 9月21日(*)
春が来た
私の心は庭園になって明ける

いつになくアレグレットな調子で 蝶たちは
たくさんの花粉をまき散らしていく
肥沃な大地 それは幸福な母親 全てを受け入れる
この季節に契りが結ばれる 天と地の間で

花々のその魅力を 誰も描き得ない
モネのまぎれもない筆によってのみだ
またはストラヴィンスキーの狂った恍惚だけが
音のなかに春を創造することができる

しかし何とあでやかな女であることか 春は
夏の最愛の恋人である
そして秋は 彼女を愛するあまり死んでゆく
しかし彼女はひそかに冬を想っている


(*)ブラジルの9月21日は、日本の3月21日。


*  *  *  *  *  *  *  *  *

ホーザ・パッソスの一連のオリジナルは、どこか捉えどころのない雰囲気を持っています。すでに出来あがっている詩に後からメロディをつけているんではないかな?と想像していますが。。どうなんでしょうか。この曲は5つの段落からできているので、字余りのような構成になって、それが何とも良いです。

それにしても最後の四行の艶っぽさには、やられた、という感じですね。

四季をあらわすポルトガル語は、Primavera(春)、Verão(夏)、Outono(秋)、Inverno(冬)
このなかで、女性形なのはPrimaveraだけ。
それを三人の男性に囲まれた女性に例えるとは。。


こんな風に歌の詩を訳すのは、演奏することとはあまり関係なくて、私のささやかな趣味のようなものかも。

辞書をひいて言葉の意味がわかっても、それだけでは意味のわからない詩もあります。

何度も読んだり、字面を眺めたりしているうちに、全体の形があぶり出しのように表れてくる時が面白いです。日本語の詩でもそれは同じで、宮沢賢治のように、ぼんやりとあぶり出されてくるような詩があります。
 
 

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